2015年6月13〜14日の週末、佐賀県鳥栖にある市村自然塾九州にて、市村自然塾九州OB・OG会「やまももの会」と市村自然塾関東OB・OG会「大地の会」が集い、お互いについて知り、両会の発展のためにできることを話し合う『第一回 大地の会・やまももの会 交流会』が開催されました。
大地の会からは、来住会長、アントニウ副会長、今井副会長、プログラムのリーダーを務める役員の三澤さん、皆川の計5人が、やまももの会からは森会長はじめとする役員計5名が参加しました。設立から15年になる両自然塾で初めての卒塾生同士の交流会となる今回、大地の会が自然塾九州を一泊二日の日程で訪問し、自然塾九州のイベントである泥んこ運動会に参加、自然塾九州の見学、やまももの会役員との意見交換会等を行いました(自然塾関東にはない水田でのイベントを体験することで、自然塾九州への理解を深めたいと考え、泥んこ運動会のステージを選んで訪問しました)。
1.泥んこ運動会参加
市村自然塾九州には水田があり、稲作がプログラムに組み込まれています。今回はもち米の田植えのステージで、日曜日の田植えに先立ち、土曜日に泥の中で遊んで泥をかき混ぜます。泥んこ運動会では、現役塾生による紅白戦およびチーム対抗戦に加え、自然塾九州卒塾生&スタッフ&大地の会役員による対抗リレーも開催されました。みんな全身泥だらけになって楽しみました。
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【参加者の感想】
13日は気温が低く風も冷たく非常に寒かったのですが、塾生たちは元気よく田んぼで体を動かしました。印象的だったのは、卒塾生ボランティアによる運営の手伝いです。彼女たちは、見た目こそ現役塾生と変わりませんが、とても落ち着いていて大人びていました。騒がずに裏方に徹し、スタッフの方々の指示に従ってサポートしていました。関東の卒塾生も見習うべき点があると感じました。(来住)
2.意見交換会
意見交換会では、両会の目的や活動内容を紹介し、現状の課題と今後の両会の活動方針について議論を交わしました。
・目的
両会共通の目的である『同窓会』機能のほかに、大地の会には『卒塾生の成長支援』という目的があるのに対し、やまももの会では『卒塾生による自然塾九州の支援』という目的がある点が異なっていることがわかりました。
・活動内容
大地の会は、リコーCSR室と市村自然塾のご協力をいただき、夏キャンプや冬の運動会、総会、OB農園やPA研修、社会人講演会やビーチクリーン等、多数のプログラムを開催しているのに対し、やまももの会は夏に行われる総会のみとシンプルです。やまももの会の総会は、大地の会の夏キャンプと総会を1日に凝縮した内容ですが、参加人数は2倍です。また、自然塾関東・九州ともに、卒塾生が自然塾の活動をサポートする体制が整っていますが、関東は参加しやすさ重視であるのに対し、九州は理念重視であるといった違いがあります。
・課題
両会ともに小・中学生の参加者は多いものの、高校生以上となると参加率が大きく下がってしまうことが課題です。そのために、今後は高校生以上の参加者をメインターゲットとしたプログラムの内容を吟味し、現在参加している小・中学生が高校生となっても参加し続けてくれるような工夫が必要という意見が出ました。
・今後の方針
話し合いの中で、今後は両会で下記の方針により活動を連携して進めて行きたいという意見で一致し、今後も定期的に話し合いの機会を持ち、詳細を詰めていくこととしました。
① 今後交流を通して両会の目的や認識を共有し・学び、お互いの活動の参考にする。
② 関東在住の九州OBや、九州在住の関東OBの連携を強化する。
③ 今後、卒塾生へのプログラムを合同で実施することを目指したい。そのために両会のノウハウや経験則を結集し、新しい挑戦に取り組む。
3.参加した役員の感想
今回の九州訪問によって、大きく三つ得たものがありました。一つは、市村自然塾九州を訪れ、実際にスタッフや塾生に会ってプログラムを体験することで、HPを見ただけでは伝わらなかった雰囲気やイメージを身をもって知り、理解を深めることができた点。二つ目は、やまももの会役員の皆さんとのつながりができた点。三つ目は、市村自然塾関東や大地の会を、九州との比較という新しい視点によって見つめ直すことができるようになった点です。
やまももの会の目的のひとつに「市村自然塾九州への恩返し」というものがあり、私はここに深い感銘を受けました。大地の会は「卒塾生のさらなる成長」をメインテーマとして目指していますが、自然塾で学んだはずの“感謝の気持ち”を、市村自然塾関東に対して実践してきただろうか?…と考え直しました。思えば大地の会プログラムでも、自然塾やリコーの皆様にはお世話になってばかりでした。小さなことを少しずつでも自然塾やリコーへの恩返しとして実践していきたいと思います。この点で、やまももの会にとても大切なことを学びました。両会の目的や方針は必ずしも一致していません。しかしだからこそ、両会がそれぞれの力を結集して協力すれば、これまでにない新しいことができるかもしれない、と感じました。(来住)
ヤマモモの会、大地の会ともに何らかの形でお互い一緒に活動したいと考えていることが印象に残りました。しかしながら両会の設立の趣旨が違うため、その壁を乗り越えて同じ目的に向かって活動を行っていけるか?が今後の肝になると思いました。私は、自然塾卒塾生のみが成長や学びを得られるというだけの会ではなく、卒塾生が学びながら同時に社会貢献のできる会にしたいと思っています。なので、今後の課題はどのようにその二つの概念を両立していくかにあると考えています。
今回の九州訪問で、ヤマモモの会および大地の会が何を目指しているのかが確認できたので、これから具体的な中身について検討できるようになったと思います。ぜひ社会のために役立つような会を目指して、今後の両会の話し合いを進めていきたいと思います。(アントニウ)
九州のOB・OGは自然塾でボランティア活動を行っているということで、大地の会のプログラムとして自然塾にボランティア活動を定期的に行なえれば良いと思います。卒塾してからは直接自然塾に関わることが少なくなるので、その仲介役として大地の会がお手伝いできれば良いと思いました。
また、九州では卒塾生で先生になられた方もいらっしゃるので、関東でもそういった卒塾生が増えれば、自然塾で塾生に対して講演などしていただけるのではないかと考えております。(今井)
塾に来るOB・OGは普段のステージからスタッフの一人として参加、手伝いに来ることがあるためか、持っている意識が違うように伺えました。またそんな先輩を見てきている塾生も、とてもしっかりしているように思えました。また交流する機会が多いため、九州では塾生と卒塾生の距離が近かったように思えます。
『知り合いがいるから』という理由で会員になる人、活動に参加する人が多いため、縦のつながりがあることが総会の参加率の高さに繋がっているのではないかな?と考えました。(三澤)
自然塾九州と関東を取り巻く環境で最も異なる点は、水環境が豊かであるということです。田んぼ、沢といった水環境に付随して、カエルや川魚などの生物や、御田植祭といった文化があることはとても貴重だと思います。
また、やまももの会は自然塾との関わりを大切にしていて、この視点は大地の会も考えるべきだと思いました。今回の訪問では、それぞれバックグラウンドが異なるからこその新たな発見があり、非常に有意義でした。
今後も両会の繋がりをお互いの発展のために生かしていければと思います。(皆川)
4.まとめ
今回の訪問で、自然塾九州ややまももの会について知ることができたことはもちろん、改めて大地の会を見つめ直す良いきっかけとなりました。また、人の繋がりもでき、大地の会とやまももの会は、互いの発展に向けて新たな一歩を踏み出そうとしています。
このような貴重な機会を与えてくださった、リコーCSR室、市村自然塾九州、市村自然塾関東、やまももの会の皆様に、この場を借りて御礼申しあげます。ありがとうございました。